アストラゴン、ドイツの開発子会社Astragon Developmentを閉鎖 40人超に影響
ドイツのシミュレーションゲーム販売会社アストラゴン(Astragon Entertainment)が、傘下の開発スタジオAstragon Developmentを閉鎖することが分かりました。GamesIndustry.bizが11月3日に報じたもので、40人を超える従業員が影響を受けるとされています。同スタジオは1990年創業の老舗Independent Arts Softwareを前身としています。
この記事のポイント
- アストラゴンが開発子会社Astragon Developmentの閉鎖を決めたと報じられた
- GamesMarketによると影響を受ける従業員は40人を超える
- 前身のIndependent Arts Softwareは1990年創業で250本以上の開発に関与
- アストラゴンは2026年1月に物理流通事業から撤退しており、縮小が続いている
- 9月末に正式リリースした『Seafarer: The Ship Sim』は1.0版の客足が伸び悩んだ
基本情報
- 閉鎖対象
- Astragon Development(旧Independent Arts Software)
- 親会社
- Astragon Entertainment(Everplay Group傘下)
- 所在国
- ドイツ
- 影響人数
- 40人超(GamesMarket報道)
- 前身の創業
- 1990年、ハムにてHolger Kuchling氏が設立
- 買収時期
- 2023年4月、最大350万ユーロ(約390万ドル)
- 報道日
- 2026年11月3日
アストラゴンがAstragon Developmentの閉鎖を決定
GamesIndustry.bizは11月3日、シミュレーションゲームを主力とするドイツの販売会社アストラゴンが、開発子会社Astragon Developmentを閉鎖すると伝えました。同記事はドイツの業界誌GamesMarketの報道を引用しています。
GamesMarketによると、閉鎖で影響を受ける従業員は40人を超えます。アストラゴンは対象者に向けて「社会的に責任ある解決策」を探っているとしています。今回の判断は、同誌が戦略的な再編と表現する取り組みの一環と位置付けられています。具体的な閉鎖時期や従業員の処遇の詳細は、現時点では明らかにされていません。
前身Independent Arts Softwareの歩みと買収の経緯
Astragon Developmentの前身は、1990年にHolger Kuchling氏がドイツ西部のハムで設立したIndependent Arts Softwareです。30年以上にわたり250本を超えるタイトルに携わり、他社作品の移植や共同開発を数多く手がけてきました。取引先にはKalypso Media、Daedalic Entertainment、Wild River Gamesといった欧州の販売会社が含まれます。
アストラゴン自体は2022年に英Team17(現Everplay Group)の傘下に入りました。その後2023年4月に、アストラゴンがIndependent Artsを最大350万ユーロで買収しています。狙いは、主力である「働く」系シミュレーションの開発を社内に取り込み、より多くのプラットフォームへ展開することでした。
創業者のKuchling氏は2025年2月に同社を離れ、その3か月後にスタジオ名がAstragon Developmentへと改められました。買収からおよそ3年半で、スタジオは姿を消すことになります。
物理流通撤退に続く縮小、Seafarerの不振も背景に
今回の閉鎖は、アストラゴンで続くコスト削減の流れの延長線上にあります。同社は2026年1月、パッケージ版などの物理流通から完全に撤退し、パブリッシング業務に集中する方針を打ち出していました。
直前には、9月末に『Seafarer: The Ship Sim』が早期アクセスを終えて正式リリースされています。同作はドイツ連邦政府から180万ユーロ超の助成を受けていました。しかしGamesMarketによると、1.0版の発売時に集まったプレイヤー数は早期アクセス開始時を大きく下回り、ユーザーレビューも「賛否両論」にとどまったとされます。こうした状況が今回の判断にどこまで影響したかは、公式には説明されていません。
開発内製化戦略の後退とプレイヤーへの影響
アストラゴンは自社開発の強化を掲げてIndependent Artsを取得しましたが、今回の閉鎖はその戦略を事実上見直すものとみられます。今後は外部の開発会社と組む従来型のパブリッシング中心の体制に戻る可能性があります。
プレイヤーにとって気になるのは既存タイトルの扱いです。アストラゴンは『Seafarer: The Ship Sim』について、当面はアップデートを続けると表明しています。ただし、開発体制をどこが担うのか、他の作品の運営に影響が出るのかといった点は、現時点では発表されていません。親会社Everplay Groupを含めた今後の追加発表が注目されます。
よくある質問
- Q.Astragon Developmentとはどんなスタジオ?
- A.1990年創業のIndependent Arts Softwareが前身のドイツの開発会社です。移植や共同開発を中心に250本以上に関わり、2023年にアストラゴンが買収、2025年に現在の名称へ変更されました。
- Q.閉鎖で何人が影響を受ける?
- A.ドイツの業界誌GamesMarketによると、40人を超える従業員が影響を受けるとされています。アストラゴンは対象者に向けた支援策を検討しているとしています。
- Q.『Seafarer: The Ship Sim』のアップデートは続く?
- A.アストラゴンは当面アップデートを継続するとしています。ただし、どの体制で開発を続けるのか、いつまで続けるのかは現時点では発表されていません。

