台湾Macronix、Switch向けゲームカードのROM事業から段階的に撤退へ
Nintendo SwitchとSwitch 2のゲームカードに使われるROMチップを製造してきた台湾の半導体メーカーMacronixが、ROM事業から段階的に撤退する方針を示しました。10月27日の決算説明会で明らかにしたもので、今後は新たなROM製品を開発せず、NANDなど需要の高いメモリに生産能力を振り向けるとされています。
この記事のポイント
- MacronixがROM事業を段階的に縮小・終了する方針を10月27日の決算説明で示した
- 2026年7〜9月のROM売上は前年同期比39%減、売上構成比は26%から5%に低下
- 任天堂はROHM系のラピス(旧OKIセミコンダクタ)からも調達しており供給は当面続く見通し
- アナリストはゲームキーカードやダウンロード専売の増加を予測している
- 任天堂は10月のインタビューで物理メディアを廃止する計画はないと述べている
基本情報
- 企業
- Macronix(旺宏電子、台湾)
- 発表時期
- 2026年10月27日の決算説明会
- 対象事業
- ROM(ゲームカード用チップを含む)
- ROM売上
- 2026年7〜9月期は前年同期比39%減
- 売上構成比
- 前年同期26%から5%に低下
- 今後の注力
- NAND、NORフラッシュ、eMMCなど
- 影響する機種
- Nintendo Switch、Nintendo Switch 2
MacronixがROM事業の段階的縮小を表明
AUTOMATONによると、Macronixは10月27日、ROMの製造事業を段階的に縮小していく方針を明らかにしました。ROM(読み出し専用メモリ)は、Nintendo SwitchとSwitch 2のゲームカードにデータを記録する中核部品です。
Game*Sparkが伝えた決算資料によると、同社の2026年7〜9月期のROM売上は前年同期比で39%減少し、売上全体に占める比率は前年の26%から5%まで落ち込みました。Eurogamerは、同社が2026会計年度第3四半期末までにROM製品を完全に終える計画だと報じています。
この動きを広く伝えたのは、豪MST FinancialのアナリストDavid Gibson氏のXへの投稿です。同氏によれば、Macronixは今後新たなROM製品を開発せず、ROM売上の個別開示も2026年第3四半期分が最後になるといいます。
撤退の背景にあるAI需要とメモリ市場の変化
Taipei Timesによると、Macronixの会長は成長分野であるNANDに生産能力を注いでいると説明しています。Eurogamerは、NORフラッシュやeMMC(組み込み向けストレージ)へのシフトも挙げています。
Eurogamerは、会社側が明言したわけではないとしたうえで、AI需要に起因する世界的なメモリ不足の影響とみています。メモリ大手が需要の高い事業に資源を集中させる流れは続いており、同誌はMicronが約1年前に一般消費者向けメモリ事業から撤退し、Crucialブランドを終了したことにも触れています。
パッケージ版の価格やゲームキーカードへの影響
MacronixはROMの唯一の供給元ではありません。Eurogamerによると、任天堂はROHM傘下の旧OKIセミコンダクタ系からも部品を調達しています。Gibson氏も、従来型のゲームカードはしばらく存続すると予測しています。
一方で、主要な供給元が抜ければ、すでに逼迫している供給にさらに圧力がかかります。Eurogamerは、ゲームカードの製造コストが上がり、パッケージ版の価格上昇につながる可能性を指摘しました。
Gibson氏は、カートリッジにゲームデータを収録しない「ゲームキーカード」や、ダウンロード専売を選ぶメーカーが増え、デジタルへの移行が進むとの見方を示しています。任天堂自身もその選択肢を取る可能性があるとしています。
任天堂の物理メディア方針と今後の注目点
任天堂は物理メディアへの投資を続ける数少ないプラットフォーマーです。Game*Sparkによると、任天堂ラテンアメリカのBill Van Zyll氏は2026年10月のインタビューで、物理メディアを廃止する計画はない旨を語っています。Eurogamerは、ソニーが2028年にディスク製造を終える決定をしたと伝えており、両社の対応の違いも注目されます。
今回の件について、任天堂から供給体制や価格に関する公式なコメントは現時点で出ていません。今後は、残る供給元での調達がどこまで安定するか、パッケージ版の価格設定やゲームキーカードの採用比率が変わるかが焦点になりそうです。
よくある質問
- Q.Switchのパッケージ版ゲームはなくなる?
- A.直ちになくなる見込みは低いとみられます。任天堂はMacronix以外の供給元からもROMを調達しており、10月には物理メディアを廃止する計画はないと述べています。
- Q.Switch 2のソフトは値上がりする?
- A.供給の逼迫でコストが上がり、価格上昇につながる可能性が報じられています。ただし任天堂から価格改定の発表は現時点でありません。
- Q.MacronixはいつROM事業をやめる?
- A.Eurogamerは2026会計年度第3四半期末までにROM製品を終える計画と報じています。同社は新規ROM製品を開発しない方針とされています。
- Q.ゲームキーカードとは何?
- A.カード自体にゲームデータを収録せず、購入の証明として使い、本編はダウンロードする方式のパッケージです。ROMのコストを抑えられる点が指摘されています。
出典・参考記事
- EurogamerOne of Nintendo's Switch and Switch 2 cartridge manufacturers is exiting the business, which could make physical games more expensive
- Game*Spark任天堂向けゲームカード、当面存続も徐々にデジタル移行?ROMチップ手掛けるMacronixが生産を段階的に縮小
- AUTOMATONNintendo Switchの「ゲームカード」製造を支えてきた大手マクロニクス、ROM事業から段階的に撤退へ。AI時代に変わる主力
- Nintendo LifeSwitch 1 & 2 Cartridges Under Threat As Key ROM Manufacturer Exits Business


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