Arkane労組、Microsoftが『Marvel's Blade』開発を妨害し閉鎖を正当化と主張
Arkane Studiosの従業員が加盟する仏ゲーム業界労組STJVが、親会社Microsoftを強く批判する書簡を公表しました。GamesRadar+が11月5日に報じたところでは、組合は19か月に及ぶ採用凍結が『Marvel's Blade』の遅れと追加費用を生み、それが閉鎖の口実になっていると主張しています。従業員217人の雇用がかかっています。
この記事のポイント
- 仏労組STJVが、MicrosoftがArkaneの閉鎖を自ら選んだと批判する書簡を公表した
- 19か月の採用凍結が開発遅延と追加費用を生み、それが閉鎖理由にされたと組合は主張
- 組合は『Marvel's Blade』の開発は順調で、完成に近いとの認識を示している
- 閉鎖時には1人あたり20万ユーロの解雇補償と2年間の再就職支援などを要求
- 買い手が見つからなければ217人の従業員が職を失うと書簡は警告している
基本情報
- 対象スタジオ
- Arkane Studios(フランス・リヨン)
- 開発中タイトル
- Marvel's Blade
- 親会社
- Microsoft(Xbox部門)
- 声明の主体
- 仏ゲーム業界労組STJV
- 影響人数
- 従業員217人
- 主な要求
- 解雇補償20万ユーロ、2年間の再就職支援、買い手選定への参加など
- 売却協議期限
- 12月まで延長(1か月延長)
Arkane労組STJVの書簡でMicrosoftを批判
GamesRadar+によると、フランスのゲーム業界労働組合STJV(Syndicat des Travailleureuses du Jeu Vidéo)が、Arkane Studiosの今後をめぐる書簡を公表しました。書簡は、スタジオが一度も失敗を経験しないまま閉鎖される恐れがあると訴えています。
組合の主張の核心は、閉鎖の経済的理由そのものをMicrosoftが作り出したという点です。書簡によれば、Microsoftは19か月にわたって採用を凍結しました。その結果として人手不足による遅延と追加費用が生じ、今度はそれを閉鎖の根拠にしているといいます。組合は、資金提供してきた作品の開発を妨げてまで閉鎖を選んだと非難しています。
さらに組合は、Arkaneが人員も資金も不足し、評価も不公平だと指摘しました。手元資金はキャッシュプーリング(グループ内で資金を集約する仕組み)で本社側に吸い上げられ、過去作の累計で数千万本規模の売上も同社の業績に反映されていないと述べています。組合は「Arkaneは利益を出している。ただMicrosoftにとって十分ではないだけだ」と主張しています。
Xboxの「リセット」とArkane売却協議の経緯
Arkane Studiosは『Dishonored』や『Deathloop』で知られるリヨンの開発会社です。ZeniMax Mediaによる買収を経て、2021年にMicrosoft傘下に入りました。米国の拠点Arkane Austinは、ライブサービス型の『Redfall』が不振に終わった後、すでに閉鎖されています。
2026年7月には、Xbox部門CEOのアーシャ・シャルマ氏が「リセット」と呼ぶ事業改革を打ち出しました。この中でArkaneを含む5つのスタジオの売却などが計画され、閉鎖の可能性も示されていました。その後、売却協議の期限は1か月延長され、Xboxの広報は12月の期限を前に複数の選択肢を検討していると説明しています。
11月4日には、ユービーアイソフトを含む少なくとも3社が買収を提案したとBloombergが報じました。STJVは今回の書簡で、期限の延長は組合が報道機関に状況を訴えた後に実現したものだと述べています。
『Marvel's Blade』の開発状況と閉鎖コスト
書簡は、『Marvel's Blade』の開発が順調に進んでいるとし、品質もArkaneの過去作に見劣りしない水準だとしています。完成が近いという認識は、これまでの一部報道とも一致しています。Bloombergに証言した関係者も、買収が成立すれば今後1〜2年以内に完成できる見込みだと語っていました。
組合は「閉鎖は、ゲームを完成させるより高くつくだろう」とも主張しています。GamesRadar+は、閉鎖費用に加えて、労働者保護の手厚いフランスの労働法に伴うコストを示唆したものと分析しています。一方で組合は、フランスの法律が買い手を探す機会を与えている点にも触れています。
ただし組合は、作品の完成だけを望んでいるわけではないと強調しています。従業員を犠牲にしてでも続けるのではなく、『Blade』の先まで続くスタジオの未来を求めるという立場です。
組合の要求内容とMicrosoftの対応
STJVは、示されている人員削減計画の補償内容を極めて低いと批判しています。そのうえで、買い手選びの協議への従業員代表の参加と、経済的理由で解雇された場合に備えた保護基金の設置を求めています。
閉鎖となった場合の要求としては、1人あたり20万ユーロの解雇補償、Microsoft負担による2年間の再就職支援を挙げました。加えて、研修や新スタジオ設立のための資源の共有と、追加の手当も求めています。書簡は、Microsoftが過去数年で1,330億ドルを超える純利益を上げていることを引き合いに出しています。
Microsoftは直近の四半期決算で、純利益366億ドル(前年同期比32%増)を計上しました。GamesRadar+はMicrosoftにコメントを求めていますが、現時点で同社の回答は明らかになっていません。
今後の焦点は12月の期限と買い手選び
書簡は、買い手が見つからなければArkaneは閉鎖を避けられず、217人の従業員が職を失うと改めて警告しています。今後の最大の焦点は、12月の協議期限までにユービーアイソフトなどの候補と合意できるかどうかです。
Xboxは他社への売却のほか、現経営陣への売却も検討していると報じられていますが、条件や交渉の進展は公表されていません。『Marvel's Blade』がどの会社のもとで、いつ発売されるのかも、現時点では決まっていません。組合の主張にMicrosoftがどう応じるかも注目されます。
よくある質問
- Q.Arkane Studiosは閉鎖されるの?
- A.現時点では決まっていません。Xboxは12月の期限まで売却などの選択肢を検討中で、組合は買い手が見つからなければ閉鎖され217人が職を失うと警告しています。
- Q.『Marvel's Blade』の発売日はいつ?
- A.発売日は現時点で発表されていません。組合は開発が順調だとしており、報道では買収が成立すれば1〜2年以内に完成できる見込みと伝えられています。
- Q.労組はMicrosoftに何を求めている?
- A.買い手選定への従業員の参加と保護基金の設置を求めています。閉鎖時には20万ユーロの解雇補償や2年間の再就職支援なども要求しています。
- Q.Arkaneの買収に名乗りを上げた企業は?
- A.Bloombergは、ユービーアイソフトを含む少なくとも3社が買収を提案したと報じています。ほかの企業名や条件は明らかにされていません。


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